カテゴリ:工房( 101 )

自然塗料

仕上げ用のオイルを切らせてしまい、アトリエ・ベルに送ってもらいました。
オイルと一緒に「コンフォルト8月号」が送られてきました。
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アトリエ・ベルの鈴木光明社長が監修した「原色塗料原材料図鑑」が掲載されています。
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アートファニチャーギャラリーでも使っているオイルやワックスの原材料が写真付で解説されていてとても興味深い記事になっています。

塗装とは植物が自らを守るために行っている営みをマネしたものであるという切り口も面白いと思います。
植物が傷ついた時、傷口から樹液をだしたり、防虫や防水効果のある物質を分泌することで身を守っているのを人間がマネをしてオイル塗装などの技術が生み出されたというわけです。
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アートファニチャーギャラリーで塗装に使っているオイルは亜麻仁油をベースにしたものです。
植物性の油が空気中の酸素と化学反応をして固まる性質を塗装に利用しているのです。
「樹脂」というとプラスチック製品を思いうかべることも多いと思いますが、もとをただせば読んで字のごとく、植物から採れる油のことなのです。
by kotmk | 2009-09-03 19:59 | 工房 | Comments(0)

奈良県へ納品旅行

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奈良県のF様のうんていを納品に行く途中、うんていのハシゴに使う丸棒を加工してもらっているダボ屋ドットコムの杉本製作所さんの工場を見学させていただきました。

二代目の杉本隆安樹さん。
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これはギャングリッパーという板を一定の幅に切り裂く鋸です。
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何枚もの刃が一定間隔で回ります。
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これは細い丸棒をいっぺんに作るモルダーという機械です。
上下に半円形を削り出す刃物がついていて一枚の板から何本も丸棒作ることができます。
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これはダボ(木同士を接着するときに使う小さな丸棒)にらせん状の溝をつける機械で、ドイツ製の部品を組み合わせて作った杉本製作所オリジナルの機械だそうです。
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これは丸棒を一定の長さに切りそろえて穴に入れやすいように面を取る機械。
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奥に見える丸ノコの刃で丸棒を同じ長さに切りそろえていきます。
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これはバレル研磨機。
ダボの表面を滑らかにするために研磨剤と一緒にダボをいれて回転させて研磨します。
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うんていのハシゴに使うような太い丸棒はこの機械で作ります。
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作る丸棒の直径に応じて刃物を取り替えます。
これはアートファニチャーギャラリーのうんてい用に作ってもらった28mm用の刃物です。
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削った直後は表面がザラザラしています。
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丸棒用のベルトサンダーで滑らかに削ります。
丸棒を回転させながらサンダーに押し当てて送っていくようにできています。
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初めて見るような機械があって大変参考になりました。

最初の頃のうんていはホームセンターで売っているラミンという木の丸棒を使っていましたが、この木は熱帯雨林保護のために伐採が制限されているものであるとお客様からご指摘をうけたのをきっかけに、より丈夫で環境にも配慮した丸棒を探していて杉本製作所さんのヨーロピアンビーチの丸棒に行き着きました。
最近では丸棒の両端に作る丸ホゾの加工もお願いしています。

見学、納品が済んでからアシスタントの次男と奈良を観光しました。
東大寺の大仏殿です。
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今回は往復900kmほどの旅でした。
by kotmk | 2009-08-09 09:48 | 工房 | Comments(0)

シュールバンク(ドイツの勉強机)の模型

4月に来日したライプチヒ在住の家具マイスター、クレメンス・ゲルステンベルガーさんが持参したシュールバンクの模型です。

樺材とウォルナットとウェンジを使ったケースです。
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クレメンスさんの工房名「The Way of Wood」の焼印。
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ウェンジ材で作った蓋をスライドして開けると・・・
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3分の1サイズで作ったシュールバンクの模型が。
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丁番や椅子の座と背の動きも本物そっくりに良く出来ています。
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後ろのこねこ椅子と比べてみてください。
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by kotmk | 2009-06-04 08:09 | 工房 | Comments(0)

こねこ椅子 制作中

こねこ椅子を作っています。
4脚注文があったので在庫分にするため1脚多く作っていたのですが、注文が入ってしまったので在庫分は無くなってしまいました。
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ところでこれは何でしょう?
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古い電気ストーブの上にたくさん穴があいた板を渡して、そこにこねこ椅子の足の丸ホゾを差し込みます。
足を組みつける時に、これを使って丸ホゾを暖めます。
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レンタル工房を利用しに来たYさんに教わったのですが、こうすることで丸ホゾの水分が抜けて、直径で0.2~0.3mmほど小さくなります。
そしてホゾ穴に入れて組む時にノリの水分を吸ってまた膨張します。
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昔は火鉢の灰にうめておいて同じ効果をねらったということを聞いたことがあります。
by kotmk | 2009-04-07 07:37 | 工房 | Comments(0)

小さな折りたたみ椅子

H様のご依頼で小さな折りたたみ椅子を作りました。

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といっても、座面の皮はお客様からの支給品ですので、正確には椅子のフレームを作らせていただいたというところです。
皮は某高級ブランドで使っているものと同等の希少なものだそうです。

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さらにクロスする部分の金具も支給品で、もとは市販品だったのを2組だけ特注でクロームメッキをかけてもらったとのこと。

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一見なにげない小さな椅子ですが、実は世界に一つしかないハンドメイド品なのです。
by kotmk | 2009-04-01 07:14 | 工房 | Comments(0)

ランプ

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以前作っていたランプです。
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8枚の木の羽の影がきれいに出るように裸電球をつけてみました。
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残念ながら電気製品は届け出など手続きが煩雑なため現在製品としては製造販売していません。
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木製部分のみパーツとして販売しています。
by kotmk | 2009-02-28 08:16 | 工房 | Comments(0)

幼稚園の棚 桐箱を追加

先日納品してきた幼稚園の棚ですが、若い木工家たち(okujio工房の比嘉君と元研修生の淡路君)にお願いしていた桐箱ができあがったので追加納品してきました。
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あえて手作業でしか作れないような組み方をしています。
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アリ組み、アラレ組みなど3種類の組み手を使っています。
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樺材で作った棚は重量感があり、安定していて、桐の箱は軽くて扱いやすいと園長先生にも喜んでいただけました。
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わずか10日ほど前に納めてきた棚ですが大活躍しているようで、さっそくクレヨンや色鉛筆の洗礼を受けていました。
by kotmk | 2009-02-27 08:45 | 工房 | Comments(2)

修理

先日棚を納めさせていただいた幼稚園から修理のため、こねこ椅子3脚と小さな台を預かってきました。
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背板(こねこの顔)を取り付けているパーツのホゾが折れてしまっていました。
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折れたホゾをホゾ穴から取り除き、新しいパーツに取り替えます。
抜け落ちてしまった足も新しい足を取り付けます。
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「小さな台」は10年以上前に電話の「子機置き」として作ったものでした。
園では遊びの道具として使っていただいていたようです。
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大きな力がかかることは想定していなかったので、天板部分が何度か割れて修理していました。
割れたところを再接着して天板の裏側に補強材を取り付けました。
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柑橘系のオイルでクリーニングした後、塗装用のオイルを2度塗ってからワックスをかけました。
塗装の工程だけでも3日かかります。
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何十年も使っていただく家具を作る時に壊れないように頑丈に作ることも大事ですが、壊れたときに修理しやすく作ることも大切です。
修理を依頼した時に「新しいのを買ったほうが安い」などと言って引き受けたがらない家具屋にはなりたくありません。
by kotmk | 2009-02-22 10:32 | 工房 | Comments(0)

シュールバンク―ドイツの椅子付き勉強机

昨年12月にドイツから届いた荷物。
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実はドイツ・ライプチヒの家具マイスター、クレメンス・ゲルステンベルガーさんが、50年代ころまでドイツの学校で使われていた伝統的な勉強机をリデザインして新たに製作したものでした。
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座面の高さは5段階に調整が可能で、しかも高さを変えると背と机の距離が自動的に調整されるので、小学生から大人まで最適な状態で使用できるというすぐれたものです。
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天板を開けると教科書やノートを収納できるようになっています。
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椅子の座と背の動きをアニメーションにしたのでご覧ください。
by kotmk | 2009-01-09 08:58 | 工房 | Comments(0)

オルガン工房見学

友人のオルガン職人Tさんに声をかけていただいて、彼の職場のオルガン工房を見学させてもらいました。
工房には借り組み中のオルガンがそびえていて大迫力。
だんだん組み上げていって、その日を境に、今度は2週間かかって分解して北海道の教会に納めるのだといいます。
正面側。
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正面上部のパイプ。
パイプは全部で800本くらいあるそうです。
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4オクターブ半の2段鍵盤に足鍵盤がつきます。
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側面から見た足鍵盤用のパイプ。
右側は木管。
左側は錫と鉛の合金でできたパイプだそうです。
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これはそれぞれのパイプに風を送ったり止めたりするストップ。
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鍵盤の順番・配置とパイプの順番・配置はスペース的にもデザイン的にも一致しないので、鍵盤の動きをそれぞれのパイプのストップに伝えるのにとても複雑な仕組みを使います。
このオルガンは送風機のモーターと譜面灯以外、一切電気を使っていないので、すべて手動・機械式の装置で動いています。
ちょこっと写っているのは同行したベーシスト・チェリストの佐藤研二氏。
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これは機械式のトレモロ発生器。
二つの箱に弁によって交互に空気が送られてシーソーのように動き、その振動で音に強弱の波がついてトレモロになります。
すべてアナログ、機械式です。
ビックリしました。
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これは正面右上から見たところ。
パイプオルガンをこの角度から見るのも珍しい経験でした。
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送風機のモーター以外全て手動の機械式ということに驚きました。
また、ちょっとした小さな留め具に至るまでほとんどの部品が木工の手作業で作られていました。
樹脂で作ると劣化するため長持ちしないのだそうです。
木で作れば何百年ももつそうです。

戦後にモダンな素材、モダンなやり方で合理的に作られたオルガンもあるそうですが、現在は昔ながらの素材で昔ながらの作り方をする方向へ戻ってきているそうです。

さて、同行した佐藤研二氏はバッハマニアで知られていますが、彼がこのオルガンを試奏して面白いことを言いました。

通常、オルガンの音は教会やホールなど残響の多いところで離れて聞くためにあまり音の出ているパイプの位置は意識されない。
ところがオルガンの真ん中で自分で弾きながら聞くと、どの鍵盤を弾いたときにどこから音が聞こえてくるかが良く意識される。
バッハはこの音像の移動で、たとえば十字架を空間的に表現していたということはなかったのか?

こんな説は初めて聞きましたが、マタイ受難曲のスコア上に視覚的に十字架を表現したといわれるバッハならば、また職務としてオルガン鑑定の仕事をしていて、オルガンの機構について熟知していたバッハならばそんなことをやっていたのかもしれないと思いました。

オルガンによってパイプの配列は違うそうですが、バッハが当時、好んでオルガン曲の初演に使っていたというニコライ教会のオルガンで弾くと何かわかることがあるのかも知れないと思いました。
by kotmk | 2008-10-17 08:58 | 工房 | Comments(0)